私たちの体内外には日常的に200種類を超える風邪症状を引き起こすウィルスや菌(病原微生物)存在します。
これらの病原微生物が体内で増殖した状態を 「風邪」 と呼んでいます。
この病原微生物は身体のいたるところで繁殖しますから、症状も、 くしゃみ・咳・鼻水・鼻声といった耳鼻咽喉科領域に限らず、
「だるい、なんだかしんどいな。」
「ボーッとする」
「ゾクッとする。少し熱があるみたいだ・・。」
「おなかの調子が悪い」
など、症状は多岐に渡り、その多くは全身症状を伴います
反応点治療では、大きな症状の出ていない状態でも「風邪」と診ることがあります。
少しでもそれらしい症状が出ているということは、免疫力と感染力が拮抗しているということです。
大きな症状は出ていないまでも明らかに感染し身体に影響を及ぼしている状態は、 脊髄反射によって筋肉の一部を緊張させると考えています。
1. 感染による鼻腔環境の悪化。 → 鼻が原因でボーッとする。
感染による気管支炎症の影響。→咳・痰がでる。
これらが原因の脊髄反射によって頸・肩がこる。→頭痛や背中の痛みを誘発する。
2. 感染によって胃腸炎など腸内環境の悪化。→おなかの調子が悪い。
これらが原因の脊髄反射によって背中・腰の筋肉が緊張する。→背中・腰が痛い。
3.感染による発熱→体力低下を伴った免疫力低下。
など。
この様にそれぞれの症状が、他の疾病・痛みを誘発しますから、風邪は万病のもとといえます。
本来の健康な状態であれば、感染しても免疫によってすぐに駆除されます。
でも免疫力が劣っていれば、いずれ全身症状となって現れます。
反応点治療では、肩から頸部、咽喉、鼻、目、そして耳の付け根を中心に治療していきます。
また、自律神経を整え、免疫力を上げ内耳環境をよくするために、能力の低下している内臓を検索して治療を加えていきます。
この様に鍼灸治療によって免疫力を高い状態に維持すると同時に、新たな疾病・痛みを誘発しない身体づくりを目指します。
いつからだろう・・・?
ちょっとしたことでふらふらしたり、立ちくらみ・めまいが起きてしまう。
耳鳴りが聞こえる。まぶたがぴくぴくする・目が疲れやすいな~。
胸のあたりがおかしい。(心臓が浮いたようなジワジワ感や動悸、疲れた感じ。)
息苦しいことが多くなってきた。
手足のしびれ・ふるえ、冷え感などの違和感。
胃腸の調子が悪くスッキリしない。下痢や便秘を繰り返す。
全身の倦怠感。眠れば治ると思っても眠れない(満足できない)。微熱が続く。
冷えや異常な汗、原因に身に覚えがない頭痛や痛み。
なんかいつもと違う・・・。
ただ、疲れが取れないだけだと思っていた。
調子が悪くてもしばらくすれば治ってしまうと思っていた。
病院で見てもらえば大丈夫だと思っていた。
だって自分はいつもの生活と何にも変わっていないんだから・・・。
病院での血液検査を始めとする様々な検査の結果は「異常なし」。
でもこんな時に初めて先生に告げられる病名は「自律神経氏失調症」です。
これまでに誰でも一度は耳にしたことがある珍しくない病名です。
でも・・・まさか自分がそうなるなんて考えたこともなかった。
そんな自覚は全くないのに。なにがどうなっているの?
どうなるの?不安が不安を呼んで苦しみが増していきます・・・。
「この自律神経失調症をなんとかしたい…。」
自分の身に降りかかって初めて考えてしまう「自律神経失調症って・・・?」
まず自律神経の仕組みを知ることから始めてみましょう!
知っていくことで、なぜこんなことになったのか?これからどうすればいいのか?が
見えてきます。そのうえで、自分のからだの状況を把握できれば改善への道が見えてきます。
神経にはいろんな種類があります。
自分の意思で感じたり命令を伝えたりする体性神経は、「熱い」「冷たい」「圧された」「触った」「痛い」などの知覚(外からの情報)を担当する感覚神経と、脳から口や手足などの身体の各部分に動きなさいと命令を伝える運動神経の二つからなります。
逆に、自律神経は心臓の拍動や血液の流れ、呼吸、体温、血流、消化、代謝、睡眠、目に入る光の調節など、自分の意思とは無関係に、普段私たちが気にもしていない働きを休むことなく最適に調整しているのです。
そしてこの自律神経には交感神経と副交感神経があります。名前は似ていますがこの二つの神経、全くの別物で反対の働きをする傾向があります。互いに、働きが異なり、独自に動き、そして働き過ぎないように自ら調整することでバランスがとれています。
その目的は私たちの身体を守る(体内環境を一定に保つ)ためにあります。私たちは、この自律神経の働きがあってはじめて生きていく事ができます。
現在言われている原因に、なりやすい体質的なもの、ライフスタイルの変化や生活習慣の乱れなどがあります。夜更かし、多忙な仕事、家事や育児、人付き合いなど、身体を調整しようとする働きにダメージを与えるストレスがあふれかえっているのです。
「でも、今までストレスって感じた事はないけどな~?」って思っている方も多いと思います。確かに一般的に言われているストレスとは<精神的>なストレスです。自律神経失調症が<心の病>との印象を持たれている所以かもしれません。しかしストレスはそれだけではありません。そもそもストレスとは本来の身体に不本意な変化をもたらすものすべてを言います。
たとえば、温度や湿度、気圧や明るさなどの環境の変化があります。春夏秋冬の季節変化が緩やかであれば対応できて問題ありませんが、その間、激しい気温や気圧の変化にさらされることもしばしばです。(全身の倦怠感・疲れが取れない、など)
明るい照明によって昼夜の境が無いような環境では、目は休む暇もありません。(まぶたがぴくぴくする・目が疲れやすい・ドライアイ、など。)
昼夜の境が無くなれば、長時間働く身体を保持し続けなければならないストレスが増えます。
長時間の労働は筋緊張を起こして痛みなどの不快な症状を出してきます。その痛みは交感神経を刺激し続け、私達の身体(姿勢を維持する筋肉や、それを統べる神経など)に大きな負担を強いることになります。(頭痛・頭重・肩こり・腰痛・筋肉痛、など。)
また、内臓の不調が反射的(内臓体制反射といいます)に周りの筋肉を緊張させて背中の痛みや重だるい腰などの原因になることもあります。
私達が働くためには食料などのエネルギーが必要ですが、口にする食べ物にはかなりの偏りが見られるようになりました。栄養分はもとより、食べる時間や食べる量、食べる回数などの変化は、胃腸をはじめとする内臓にとってかなりのストレスとなっています。
耳鳴りはなぜ起こるのでしょうか? 現在、その正確な原因は分かっていません。
ストレスが続き交感神経が強く働き続けると、リラックスする神経(副交感神経)がうまく働くことができません。リラックスする神経(副交感神経)に支配されている内臓本来の力が発揮できなくなってしまうのです。(消化不良・食欲不振・過食・胃炎・腹部膨満感、など。)内臓などは特に自律神経に影響を及ぼすので、注意が必要です。
当然、自律神経は精神的な刺激に対しても働きます。興奮したとき、はげしい怒りを感じたとき、強い恐怖を感じたとき、緊張したとき、悩みや不安をかかえているときなども、反応して交感神経が働きます。身体的な部分でも十分に自律神経の働きを乱れさせているのに、その上<精神的>ストレスが加わるのです。
このような環境が続くことで、「自律神経の乱れ」が起こります。緊張させる神経(交感神経)と、リラックスさせる神経(副交感神経)が、様々な支配領域において、どちらかが一方的に興奮したり、あるいは両方が共に興奮したり低下したりするのです。(バランスをとるというより、どちらが優位か?といったほうが説明が付きます。)その上、全身性か部分(部位)的かの選択も考慮に入れると、自律神経本来のスムーズな働きが出来なくなってしまう上に、<シーソーのような>といった「二社選択」では説明が付かないような様々な症状が出る可能性が考えられるのです。
でもちょっと待ってください! 疑問に思われている方も多いと思いますが。このような環境は何も今に始まったことではありませんよね? 自律神経失調症は老若男女誰でもかかる可能性があります。自律神経失調症状で悩まれている方は なぜ 今 症状が出てしまったんでしょうか?
キーワードは体力です。自律神経失調症状が出ているときにはこの体力が不足していると考えています。ここでいう体力とは、自律神経の働きを維持・回復する力をいいます。
他にも、精神的に大きなストレスがかかったり疲れが蓄積したりしている状態も、同様に閉塞感や耳鳴りを起こしやすいと考えられます。
この体力の中には4つの力があります。
1つ目は、身体を治す力、治癒です。(病気や怪我を治す力です。)
2つ目は、身体を守る力、免疫です。(細菌やウィルスから身体を守る力です。)
3つ目は、ご存知、運動のための力です。(一般的にはこれを体力と言います。)
4つ目は、体の機能を調整する力です。(自律神経の命令を実行する力です。)
これらの体力は、様々なストレスにさらされて消費されていきますが、本来、規則正しい生活をしていれば自然と回復するものです。起きているときに回復より消費が多く、眠る(休む)と消費より回復が多くなります。
しかし、ライフスタイルの変化や生活習慣の乱れは全体的に回復より消費を多くさせます。 体力が落ちてくると、病気にかかりやすくなったり、治りにくくなったり、疲れが取れにくくなってきたりします。自律神経からの命令が出ても、命令の実行を維持する力が足りなくなってくるのです。この状態は、自律神経そのものを混乱・乱れさせてしまうのです。
自律神経は自分の意思とは無関係に、機能を調整する働きを続けるために、身体を休むべき時に休ませて回復を促し、効率良くエネルギーを補給し、身体を最適な状態に維持していくものです。
しかし、様々なストレスは体力を削っていくと同時に、自律神経の乱れを酷くさせていくことになるのです。この状態が <今のあなた> であると考えてください。文初にある症状、いくつ当てはまりましたか?
自律神経失調症とよく似た症状があります。病院にかかっても、かかる科によって病名が違ってくることが珍しくありません。たとえば、
不眠症・更年期障害・月経前緊張症・めまい症・耳鳴り・突発性難聴・過喚起症候群・過敏性腸症候群・慢性胃炎・肩こり症・慢性疲労症候群・高血圧症・等々…。
しかし、これ等のように病名が違っていても自律神経失調症が大きく影響していることは間違いありません。
逆に、糖尿病、貧血、バセドー氏病、脳腫瘍、癌などは「疲れやすい」、「だるい」、「手足のしびれ」、「発汗」、「ふらつき」など自律神経失調症とよく似た症状が現れる事があります。自己判断せずに、まず病院で診察を受けることが大切です。
一部の自律神経は脊髄反射によって勝手に働くという特徴がありますから、反応点治療でもこの作用を利用します。
優しい鍼灸の刺激で痛みをおこす筋肉の緊張を改善させ、さらに自覚されないながらも大きな影響を及ぼしていると考えられる、平衡感覚、耳・鼻・咽喉・などの慢性炎症、内臓器官の不調に検索・アプローチしていくことで、様々な症状に対応し自律神経本来の働きを取り戻していきます。
・耳のつぼに鍼やローラー鍼で刺激を与え、自律神経症状を増大させたり定着させたりする、めまい・耳鳴りなど、の症状を抑えます。
・咽頭への刺激は咽頭粘膜の環境を滑らかにして、炎症のおきにくい環境に整えます。
・お腹のつぼへの優しい温灸刺激は、副交感神経によって支配される胃腸を刺激して、交感神経の過剰な興奮を抑えることができ、胃腸を整え、冷え感や眠れないなどの症状を改善します。
・ご自宅でのセルフケアの方法をお教えします。お灸やローラー鍼を使った短い時間で簡単なものです。しかしこのセルフケアが治療の決定打となるものなのです。
このようなアプローチによって徐々に自律神経本来の働きを取り戻していきます。
・また、自律神経の環境が整えられていくことで総じてホルモンの分泌も安定しやすくなり、生理不順や生理痛などを改善させる事が出来るようになります。
・閉経後の更年期障害などにも身体を安定させていくという点でかなり有効です。病院で行う治療の大きな支えになるでしょう。
耳には聴覚と平衡感覚があります。
平衡感覚異常であれば めまいや立ちくらみを、聴覚異常であれば 耳鳴りや難聴が起こります。
人によって聞こえる音の種類や大きさは違いますが、実際には存在しない音が聞こえたり、音が頭に響くように感じたり、または “こもった” ように感じたりする症状です。
想像してみてください。有るはずの無い大きな音が、ずーっと聞こえてくるのです。
この継続的な「耳鳴り」はかなりの精神的な苦痛を伴います。
「頭に響くかん高い音。“キーン”って鳴り続ける。」
「片方だけ耳鳴りが聞こえるんです。」
「耳の中で音がこもっている“ワァ~ンワァ~ン”」
「歳だから仕方ないといわれた。」
「ずーっと鳴ってるので、気になって集中できない。仕事が手に付かない。」
「聞こえる音が “こだまする” のよ。」
「病院で脳の検査をしても異常がない」「一ヵ月半薬を飲んでいるが改善されない」
「この音、何とかならないかな…。何とかしてほしい…。」など。
耳鳴りは体調によって、音の質や大きさが変化する傾向があります。
本来の聴力が耳鳴りにかき消されるようにして、軽い難聴傾向にある方も多いようです。
耳の中が圧迫されているような、耳閉塞感もあります。
また多くの場合、耳鳴りは突然始まることが多いですが、「 いつからだかはっきりしない。気が付いたら聞こえていた…。だんだん大きくなっているようだ…。」 という方もおられます。
がしかし、異常の無いほとんどの方も 「耳鳴り」 を知っています。
良~く耳を澄ましてみてください。
集中すればごくかすかに 「 キ~ン 」 もしくは 「 シ~ 」 という音を聞くことが出来ます。
よく漫画などで静けさを表現するときに 「 シ~ン!」 という表現を使いますよね?
私たちは 「 無音状態でも感じる音 」 があるのです。
耳鳴りの症状のある方は、この種の音が常に大きな音に聞こえてきて 日常生活に支障が出てくる程なのです。
耳鳴りはなぜ起こるのでしょうか?
現在、その正確な原因は分かっていません。
鼓膜は“音”という複雑な振動を中耳にある耳石に伝える役目が在ります。耳石はその音を拡大して、内耳に送ります。
内耳で音は電気信号に変えられて内耳神経を通じて脳に送られます。脳の聴覚野がその信号を受けとって、私たちは音の認識をするのです。
鼓膜(聞こえる) →①→ 中耳(伝える) →②→ 内耳(電気信号に変える) →③→ 脳(分かる・認識する)です。
耳鳴りはこの様な 音の振動以外のものが伝道路 ( ①②③の通路 ) のどこかに現れて、影響を及ぼしている可能性も考えられます。 炎症や内耳内の環境の変化などです。
中耳は耳管で鼻空(鼻)や咽頭(のど)とつながっています。
鼻空や咽頭などから細菌に感染しやすいなど、少なからず影響を受けやすい場所です。
人によっては気づかないうちに 「 感染・炎症・治癒 」 を繰り返しているかもしれません。
これらから、耳鳴りは 内耳の粘膜のちょっとした炎症でも生じると考えられますし、慢性的な悪環境( 感染・炎症・治癒 の繰り返し )によって耳鳴りを起こしやすい環境になっているとも考えられます。
また、受容器が振動以外の間違った刺激をひろっている可能性も考えられます。気圧の変化などです。
天候の移り変わりが激しいと ( 例えば低気圧と高気圧の変わり目など ) 耳鳴りが強くなると感じる方が多いようです。健康な方でも新幹線に乗ってトンネルを通過したり、飛行機に乗ったり、プールに潜ったときなどにも 閉塞感や耳鳴りを感じることがあると思います。
他にも、精神的に大きなストレスがかかったり疲れが蓄積したりしている状態も、同様に閉塞感や耳鳴りを起こしやすいと考えられます。
この様な様々な原因によって内耳に許容範囲を超える変化が起こると、受容器はこれらに過剰に反応して余分な情報を脳に伝えてしまうと考えられます。
この「 余分な情報 」 が実際に無い音なのに聞こえてしまう耳鳴りなのです。
耳鳴りがあって聞こえづらいですが、聞こえているということは聴覚神経の傷害ではありません。
聴覚の過敏状態、もしくは過剰に興奮した状態と考えられます。
症状が 環境・状況 によって変化 ( 軽くなったり、酷くなったり ) していて、手術や慢性的な炎症などで形質が変化していなければ改善の余地はあります。
形質変化があれば、症状の変化は無いでしょうし、最悪 「 聞こえない 」 こともあるからです。
反応点治療では、過剰に興奮した状態を引き起こしている場所を触診によって特定していきます。
また中耳は耳管を通じて鼻空や咽頭などから細菌に感染しやすいなど影響を受けやすいことから、風邪の治療領域である 肩から頸部、咽喉、鼻、目、そして耳の付け根を中心に治療していきます。
また、自律神経を整え、免疫力を上げ内耳環境をよくするために、能力の低下している内臓を検索して治療を加えていきます。
治療の際には先の尖った鍼だけでなく、こどもに使う「ローラー鍼(小児鍼)」などが有効です。
治療中に使用しますが、もちろんセルフケアにも使えます。
使い方や場所などは指導いたしますので、 ご自宅でのケアにお勧めします。
まずは、鍼灸治療やローラー鍼などの継続的な刺激を繰り返し行なうことによって、気にならない程度にしていきましょう。人によっては結果が早かったり遅かったりしますが、あきらめないで粘り強く続けることが大切です。
この様な治療によって耳鳴りを抑え、症状の出にくい身体を作っていくことが出来ます。
いろんな頭痛があります
頭痛を知らない人は幸せですよね…
でも、ほとんどの方は何かしらの形で頭痛の経験があるはずです。
■風邪をひいたときや治りかけの時に頭が“ズキズキ”“ガンガン”するといった頭痛。
■長時間のデスクワークによる激しい目の疲れや肩こりから頭痛を招くこともあります。
■女性は、生理に伴う体調不良やホルモンバランスの崩れから頭痛を引き起こす事もありますね。
■“二日酔い”で頭がガンガンする……まぁ自業自得という事で。
■そして近年では、大きなストレス(肉体的・精神的共に)によって頭が痛くなる事が多く“原因不明の頭痛”としてクローズアップされているようです。
でも多くは原因が解消されれば収まるものや、一晩寝れば治ってしまうものが多いですね。
あるいは市販の「痛み止め」(鎮痛薬)を服用すれば治る程度でしょう。
・・・・・でもそうでなければ深刻です。
■頻繁に起こる・良くなってもまたすぐにぶり返す。(慢性頭痛)
■少し作業をしただけで痛みがひどくなる。(筋緊張性頭痛)
■薬を飲むものの・・・効きが悪い・効かない。(薬の効きにくい頭痛)
■吐き気やだるさ痛み等で 仕事や家事、勉強など、日常生活に支障が出るほどつらい(片頭痛)
■そして近年では、大きなストレス(肉体的・精神的共に)によって頭が痛くなる事が多く“原因不明の頭痛”としてクローズアップされているようです。
など、つらいものはかり・・・・・。
こんなに痛いのに・・・・・。
そんな、人には分からないつらさゆえに周りの理解を得られない事もしばしばです・・・・・だからこそ、
“何が原因でどうして痛くなるのか?” “具体的にどうすれば楽になるのか?”
を整理していく必要があります・・・・・
最初に見逃してはいけないものに<脳腫瘍>や<脳血管障害>があります。
しかしこれらは立っていられない程の痛み(出血や腫瘍が大きくなることで起こる圧痛)や吐き気を伴いますし、検査においても画像に映る事が多く、病院(ファーストチョイス)で診断できるものです。
しかし頻度としてはそう多くなく、皆さん疑いを持って受診されるようですが「問題なし、薬で様子を見ましょう」となる事が多いようです。
・・・・・問題はここから
薬で痛みが取れなくてつらいけれど、他に方法が無い。
どうして薬が効いたり効かなかったりするのでしょう?
どうして頭痛に薬が効くのでしょう?
頭痛薬(痛み止め)にはいろんな製品がありますが、含まれる成分にはそれほど違いはありません。
アスピリン・アセトアミノフェン・イブプロフェン・イソプロピルアンチピリンなどの解熱・鎮痛・抗炎症成分。
ブロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素などの催眠鎮静成分。
それらを補助したり、副作用を抑えたりするためにカフェイン(頭をすっきりさせる)。
制酸剤・胃粘膜保護成分であるメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(副作用である胃腸障害を予防)や様々なビタミン類(ビタミンB1、ビタミンC)など。
これらの目的は、体に痛みを感じさせる原因の一つの“ブラジキニン”という痛みを引き起こす化学物質を作らせないようにしたり、壊したり、そのための環境を整えたりする事にあります。
ブラジキニンをはじめとする化学物質が原因となっている痛み(風邪を始めとする、目・口・鼻・耳・咽喉などの急性炎症が原因となっている頭痛)には、これらの痛み止め(解熱・鎮痛・抗炎症成分)がよく効きます。
これらの炎症が反射作用によって肩から頭にかけての筋肉を緊張させ頭痛を引き起こしているのですから、原因が解消されれば痛みも消えます・・・。
だから、怪我や病気による炎症などが原因の頭痛に薬が効くのです。
では、薬の効きにくい頭痛は?・・・
ブラジキニンなどの発痛物質に対する鎮痛作用だけでは説明のつかない痛みもあります。
<薬が効きにくい頭痛>
首や肩の筋肉が何らかの原因で持続的に緊張し続けると、それに連なる頭の周りの筋肉ものテンションも高めてしまいます。
そして、頭部の“薄い筋肉(頭頂筋膜)において、複数個所あるいはかなり広い範囲に緊張が広がることで、私たちの身体は<感覚的>に頭の中心部が痛いように感じてしまうことがあります。(筋緊張性頭痛)
頭の中には痛みを感じる神経はありませんので<作られた痛み>といえます。
また、頭部を包むように覆っている頭頂筋膜の緊張は、痛みとともに頭全体を締め付けるように感じさせます。
こに側頭部などの比較的血管の拍動が感じやすい場所で、さらに拍動によるテンションアップ刺激が加わると、あの独特の頭にズッキンズッキンとした痛みが起こると考えられるのです。(片頭痛)
筋緊張性頭痛がさらに局所的に増大したものが片頭痛といえます。ですから、生活に支障が出るほど強い痛みを伴うものは全て片頭痛といってもいいでしょう。
どんな原因が考えられるのでしょう?・・・
その原因には大きな意味での<ストレス>があると云われています。
その<ストレス>には、
■病的なストレス(慢性的な炎症)
■環境・運動的なストレス(仕事や勉強など強いられて)。
■精神的なストレス(交感神経の興奮から)。
■生理的なストレス(ホルモンバランスの崩れ)
などがあり、これらはすべて<緊張>に関係があります。
(病的なストレス)
私たちは普段気がつかないほどの慢性的な鼻炎やアレルギーなどで、軽い炎症の状態が続いていることがあります。
その継続的な刺激は、同じ神経に支配された所にある、顔の皮膚や頭の筋肉を刺激し続けていることになります。頭全体がのしかかる様に重痛い状態や、ちょっとした“目の疲れ“などが頭痛につながりやすいのはこのためです。
痛みの出やすい身体になっていると言えるでしょう。
(環境・運動的なストレス)
仕事や勉強などで持続的に肩首の筋肉を使い続けることは、反射作用によって肩から頭にかけての筋肉を緊張させ続けて頭痛を引き起こしやすくしているとも考えられます。
また、肩が凝ってくると身体は自然に他の部分が補助しようとして、より不自然な緊張が生まれます。
無理な姿勢を続けたり、枕が合わないと思ったりするのもこれにあたります。
(精神的なストレス)
日常生活を送る上で私たちの身体が日々晒されている極度の緊張感は、自律神経の面からも緊張を増長させます。
自律神経失調症状の中にも頭痛がある様に、相互関係は深いと考えられます。
継続的で不自然な刺激(ストレス)は自律神経に間違った指令を出させる元凶です。その間違った指令から様々な不定愁訴が起こるわけですが、その中には皮膚や筋肉を強く緊張させる命令も含まれています。
んな頭や首などの皮膚や筋肉の間の状態のゆがみは、ある限界を超えると“痛み”に変わったり、反射的な緊張は運同時に痛みを起こしたりするようになります。
(生理的なストレス)
また、閉経や生理などのホルモンバランスの不調やそれに伴う慢性的な炎症なども、頭痛と関係深い物の一つです。
ホルモンの分泌の中枢は視床下部にあります。この視床下部はホルモンの分泌と共に自律神経の中枢でもあり、お互いに影響し合っていることが分かります。ホルモンバランスの崩れは痛みが起きやすい環境を作ってしまうのです。
頭痛を予防するには?
頭痛になりにくい身体の環境を作る必要があります。
頭痛に自律神経の働きが深く関係していることは先にお話ししました。
自律神経が健全に働くためには、正確な環境情報が必要です。
要は、日常生活である、起きて、食べて、十分に寝る・・・そんな当たり前の事柄にメリハリをつけてあげること。
寝るのがチョットだけなら遅くてもいいですし、食べる時間も他の人と同じでなくていいです。(睡眠時間は多いほうがいいです。食べたり食べなかったり、時間がまちまちだったりするのはダメです。)
決まった時間に決まったことをすることで、自律神経にとって身体の日常動作を“予測しやすい”状態にしてあげると、格段に身体全体の緊張状態を緩めてあげることができます。
風邪の予防も重要です。
私たちが普段に呼ぶ<風邪>とは熱が出たり、鼻が出たり、咽喉が痛かったり、咳が出たり。
症状が出て初めて分かるものですが、身体は感じるよりもはるかに早く異常を察知して対応を始めます。
咽喉が悪ければ首回りの筋肉を硬くしますし、耳鼻領域に問題があれば目の周りや側頭部の筋肉が緊張しますし、当然平衡感覚にも影響しますから、頭を固定するためにさらに固めます。
耳鼻咽喉領域の環境を良くすることで頭痛になりにくい状態を作れます。マスクをつける、うがいをする、加湿を心がける・・・などが大事です。
無理な姿勢を長時間続けないことです。
してるつもりはないですって?・・・・・そうでしょうね~。
・・・でも頭が痛いでしょう? 頭から首にかけて凝っているでしょう?
仕事にしろ、家事にしろ、何かに集中して行動するときには、私たちに身体は無意識にそれに見合った緊張状態を作り上げていきます。テキパキ・シッカリと働けるように! そう・・・画面を見続けての入力などのパソコンを使ったデスクワークなどが分かりやすいでしょうか。
画面をしっかり見つめるために、目の位置を固定するために頭・後頭部・首・肩の筋肉は硬直します。揺らしたらダメですもんね。目の疲れが加われば顔が画面に近づいていきます。
それを支えなければいけない頭から首にかけての筋肉・・・。
そんな状態が長く続けば・・・つらいですね・・。
そうならないためには、意識的に、一定時間ごとに、集中環境をリセットする必要があります・・・・・休憩してください・・・。その都度の肩首の緩やかなストレッチ、肩の脱力が大事です。くれぐれも、頭痛になってからするのでは遅すぎるということをお忘れなく!
事後対処ではダメなのです!・・・ならないための環境づくりを習慣にしてください!
たったそれだけ?・・・それぐらい分かっているよ! ・・・と思っています?
“分かっている“と“出来ている”は全然違います。
まずは長い目で続けてみてください!
できれば皆さんが思っている以上に効果があるはずですよ!
ゆるり治療院での治療は?
それでもダメだ・・・と思われる方は、ゆるり治療院にご連絡ください。環境や状態を改善しても変わらないのは、思っている以上に悪い状態が進んでいると考えられます。
そんな時には、外部からチョットした鍼刺激で、かつダイレクトに刺激してあげることで、良くなるきっかけになります。よくなろうとする身体にちょっと後押ししてあげるのです。
その上で、より効率のいいセルフケアの方法をお教えいたします。
当院の治療方法は、凝りや痛みの強い部分への施術はもちろんのこと、目・鼻・耳・咽喉などの影響が考えられる部分や、頭やお腹にある自律神経のツボを刺激したり、身体全体へ刺激を与えたりしていくことで免疫力を上げていきます。
そんな痛みの出やすい状態に対処して頭痛になりにくい身体づくりをお手伝いしていきます。
きっと、思った以上の効果を感じることができると思いますよ。
悲痛な表情で治療院に入ってこられるのが印象的な五十肩。
そのつらさは継続的に続く痛みはもちろんのこと、そんな休む間もなく続く痛みによって、気が休まらない・眠れない・治らないのではないか・との不安で日常生活に支障をきたすことにもあります。
急に痛みが出始めて、ちょっと痛い時期が少し続いた後見る見るうちに腕が動かせないほど痛みが激しくなって行く…驚くほど“あっ”という間に。
あとは、
□ 肩が挙がらない。痛みで少しでも動かせない。
□ ちょっと上にある物を取ることができない。
□ お風呂で身体を洗うのが大変だ。
□ 寝返りや着替えもままならない。
□ 疼きや痛みで夜も満足に眠れない。眠っても痛みで目が覚める。
□ じっとしていても痛い。ある一定の姿勢でないと痛む。
こんなときに、最初に疑わなければいけないことは肩周りの組織の損傷ですね。 肩こりなどであれば、状態が良かったり悪かったりと症状に変化がありますが、単純に、骨折・腱板断裂・変形等、損傷が原因である場合は痛みが間断なく続きます。
これは決して見逃してはいけないものです。
まず、整形外科などでしっかりとした検査をされることをお勧めします。特に腱板断裂などは処置が遅くなればなるほど治療が難しくなる傾向があるためです。
しかし、病院でレントゲンやCT、MRI など、様々な検査のあと画像所見に異常なし・・・。それらしい原因が見つからない。(もちろんこの時に骨棘や腱板断裂など異常が見つかる時もあります。)それでも間断なく続くいたみがおさまらなかったら・・・。
ドクターからは、 「五十肩ですね。ヒアルロン酸や痛み止めの注射とリハビリで様子を見ましょう。」といわれることが多いようです。(これで収まれば申し分ありませんが…。)
正確には <肩関節周囲炎> の病名で呼ばれるものですが、世間一般では <五十肩> のほうが良く使われている呼び方ですね・・・50代に多い傾向があるといわれているからでしょうか。
40代の方は「四十肩」、50代の方は「五十肩」とそれぞれアレンジして申告される方が多いです。
でもここで大事なのは、五十肩というのは様々な検査をしても原因が分からない肩関節周辺の可動域不全、それに伴う断続的な疼痛があるということです。
では、どうして痛みが出るのでしょうか?
肩周りの関節は、身体の中でも最も大きく動かすことの出来る場所です。そのためにたくさんの組織が広い範囲にわたって複雑に組み合わさっています。
そんな多くの筋肉や腱などの組織の内の一つが何らかの原因で炎症を起こしたとしましょう。でも、すぐに痛みは出ません。痛みが出ないように、周りの筋・腱が補助をしてくれるからです。多くはその補助が効いているうちに治癒していきます。
しかし、私達が仕事など様々な使い方を強いる上で、周りの筋・腱の補助だけでは治癒が追いつかない場面が出てきます。
するとどうなるのか?
その補助をしている周りの筋・腱も限界に近づいていきます。本来ある仕事に加えて補助と言う仕事が増えているわけですから・・・オーバーワークですね。
・・・でも、今度もそのまた周りの筋・腱が補助をかってでてくれます。
痛みが出ないように・・・。生活に支障が出ないように・・・。
そんな状態に私達が気付く事は難しいですね。痛みがないわけですから。痛みが出ないように身体が頑張ってくれているのです。
しかしその間にも肩周りの状態はどんどん悪化し、ますます肩全体に広がっていきます・・・。
この頃になると、痛み等は気にならないまでも違和感が出始めます。
肩の前部や上部、肩甲骨の内側などに、ツッパリ感や疼き感、稼働域の減少(動きが悪い)などが観られるようになります。この様にしっかりと身体からの“五十肩の前触れサイン”が出ているはずなのです。
この時期に気が付いてしっかりとケア出来れば問題は無いのですが、気が付いたり、気にしたりする方は決して多くありません。
私の診てきた経験上ではありますが、多くの方に共通しているのが、仕事や家事、スポーツをバリバリされている方。ちょっと痛くなっても 「じきに治るだろう」 とほって放っていた方。五十肩なんて、まさか自分がこんな目にあうとは思ってもみなかった・・・そんな自分の身体に自身を持っていた方々が多いようです。
そんな状況にも限界が来ます。
肩周りの状況は、痛みは無いまでもどの部分もかなり緊張が高まっている状態・・・。何とか普段の使い方であればしのげている状態といえばいいでしょうか。
そこにちょっとだけ無理をしたり、普段と違う事や動きをしたりすることがきっかけで、肩周りの緊張の均衡が“ドミノ倒し”のように一気に崩れて“みるみるうちに痛みが広がっていく”状態になっていきます。
・・・文字通り“あっ”という間です・・。
しかしこの五十肩の痛みの全てが、炎症が原因とは云えません。炎症だけでは説明がつかないところも多いのです。
痛みと状態は変わっていきます。
五十肩といっても痛みにも種類がありますし、状態にも段階があります。
大まかに・・。
◇初期:炎症や腫れがどんどん広がっている状態。 (何をしても痛い。)
どんどん状況が悪くなっていく“五十肩初期”の時点では、かなりの範囲で炎症が見られます。熱を持っていますし、腫れがひどい場合が多いです。
この時の痛みは炎症や腫れからくる痛みが大部分を占めている状態ですから、常に痛みを感じる(のたうちまわる様に痛い)状態です。
◇中期:炎症の範囲は少なくなっているが、それまでの痛みによる慢性的な筋緊張が起こり、痛みから逃れる術として反射的な運動制限を起こす。
(ある一定の姿勢だと痛みが楽になる。それ以外は痛いので動けない。)
ゆるりの様な治療院に患者さんが来られるのが早い方でこの時点。
広範囲の腫れを伴った方は少ないのです。・・・そう、時間が経っています。
病院などで検査やリハビリを経ているので仕方ないのですが・・・。しかし来られた時点でも痛みは相当なものです。でも炎症や腫れなどが大きな原因ではなくなってきているようで、痛い時と比較的ましな時との差が生まれ始めます。
◇安定期:動かすと痛い状態ですが炎症が大きな原因ではなくなっています。
“動かない”のではなくて何かが邪魔をして“動かせない”状態です。
この頃になると、初期ののたうちまわる様な痛みも収まり、痛みの質も変わってきます。常に痛いわけではなく、ある一定の動きに対して強い痛みを覚えます。その繰り返される痛みによって身体全体の緊張感も否応なしにあがって行きます。
先に示した、
□ 肩が挙がらない。痛みで少しでも動かせない。
□ ちょっと上にある物を取ることができない。
□ お風呂で身体を洗うのが大変だ。
□ 寝返りや着替えもままならない。
□ 疼きや痛みで夜も満足に眠れない。眠っても痛みで目が覚める。
・・・等の関節や筋肉の運動制限が大きな問題になるのがこの時期です。
病院などでのリハビリで思ったような効果が感じられずに手詰まり感が出る事も多いと思います。
どうして痛みが続くのでしょう。
肩を動かすためには腕の筋肉をはじめ、胸・首・背中・腰など、広い範囲の筋肉を使いますね。肩を含めた、そのすべてがスムーズに連携することで自由に違和感なく動かすことができます。
しかし、初期に肩の広範囲にできた炎症によって生まれた筋緊張の痛みによる運動制限は、治ろうとする周りの正常な組織や筋肉に大きな負担を与えていきます(“何かが邪魔をして”はこのこと)。
お互いに連携していることが逆に、良くなろうとする処にさらに負担を強いて、さらに強い筋肉の緊張を引き起こしていくのです・・・。
継続的に、しかも互いに、“足を引っ張ってしまう”イメージですね。
それは、肩の内部間でも起こりますし、隣接する 胸・首・背中・腰などの広い範囲でも起こります。・・・だから五十肩(肩関節周囲炎)は長引く傾向が強くなるのです。
病院でも、「3ヶ月から半年かかりますよ。長くなればもっと…。」といわれ、治療(リハビリ)に通うものの思ったような効果が感じられず、しかも「こんな状態が3ヶ月から半年もつづくのか?・・・」と、慌てて治療院を探し始める方が多くなるのです。・・・こんな過程のどれかに当てはまっている方は注意してください!
ゆるり治療院で出来ることは・・。
身体の中で最も複雑で、動く範囲の広い関節だからこそ起こりうる特殊な痛みです。
五十肩の治療はまさに、「丸く絡んでしまった毛糸の玉を解く」作業の様なものです。
・・・・一本だけを引っ張るとどんどん絡んでいってしまいます。ですから、いろんな方向から、周りの状態を診ながら、少しずつ解いていく作業が必要になります。
そんな作業(五十肩の治療)には鍼灸治療が最適です!
肩周りを支える胸・首・背中・腰等の状態を整えて緊張の取れやすい状態を作ることは勿論のこと、複雑に緊張が組み合った筋肉を“丁寧に、丁寧に”解していきます。
痛みのある所だけではなく、緊張の激しい部分や、強張りのある部分などを同時に広範囲に治療していくことで、“待つこと”よりも遥かに早い回復が見込めるのです。
患者さんの中には一度の治療で回復される方もおられます。
痛みの出始める・・できるだけ早い時期に、鍼灸をメインとした治療と関節の可動域を広げていくストレッチを併用したリハビリを始めることを強くお勧めします!
めまい発作は想像するよりも辛いものです。
激しいものになると、その場で吐いてしまうこともあります。
「めまい」や「たちくらみ」とはどの様なものなのでしょうか?
私たちの耳の機能には、「聴く」ための聴覚と「体をまっすぐに保つ」ための平衡覚があります。
それぞれの機能が傷害されると、様々な不調が現れます。
聴覚異常であれば 耳鳴りや難聴を、
平衡感覚異常であれば めまいや立ちくらみが起こります。
平衡感覚の制御は勿論、脳で行われますが、そのため情報感覚器はいろいろあります。
視覚(見る)、皮膚感覚(感じる)、足の裏の圧・触覚(踏みしめた感じ)、そしてちょう平衡覚です。
これらの感覚を総合することで、脳は身体を平衡に保つ事が出来ます。
この中でも内耳にある平衡覚は特別なものです。
脳は「他の感覚は遮断されるかもしれない。」ことを想定出来ています。(見ない、厚着をする、水に浮かぶなど。一時的に無くても、ある程度平衡であることはわかります。)
よって、感覚情報源としては補足的なものといえます。
しかし、内耳の平衡覚が絶たれることを脳は想定していません(出来ません)。
脳にとって内耳の平衡覚は身体を平衡に保つための最も重要な感覚器なのです
その内耳にある“平衡覚センサー”は左右にひとつずつあり、それぞれが感覚情報を脳に送っているのです。
仮に、その左右もしくは片方の内耳にある平衡覚センサーが何らかの原因 ( 炎症など ) でおかしくなってしまうと、左右の耳から脳内に入る情報が違ってしまいます ( 誤差が出ます )。
先にお話したように、脳は各感覚器からの情報を総合することで身体を平衡に保っていますから、正確な状況判断が出来なくなり混乱 ( フリーズ ) します。この混乱は身体全体に影響を及ぼします。
めまい・立ちくらみ・失神などを、また ふらつき・つまずきなど運動障害(バランス障害)や、嘔吐・冷や汗など自律神経症状、が現れます。
更に、本人はめまいの原因が分からないために、「いつ再発するかもしれない。」という不安や、「私のめまいはこんな時に出る。」「あんな時にめまいは酷くなった。」等の不安要素が自覚の無い刺激となり、めまいを「習慣化・慢性化」させていきます。
そして、「習慣化・慢性化」により脳がめまいのパターンを記憶し、さらに反射的にめまいを引き起こさせるようになっていきます。
まためまいによる転倒の恐怖などから、身体は筋肉を緊張させます。特に目のまわりや首・肩、下半身の緊張が顕著となります。
この様にめまいのある方は、様々な全身症状や自律神経症状、それに付随する筋肉の緊張、そして精神的ストレスなどが影響してきます。
反応点治療では、中耳と内耳のどちらに原因があるのか、また、左右どちらの耳が悪いのかを検索確認して治療します。
平行して、めまい症状によって現れた筋肉の緊張をとる治療をします。
めまいは全身症状や強いストレスなどによって内臓にも大きなダメージをあたえますので、胃、肝臓、小腸などの周辺に現れる反応点へのアプローチも必要です。
先の尖った鍼だけでなく、こどもに使う「ローラー鍼(小児鍼)」なども有効です。
治療中に使用しますが、もちろんセルフケアにも使えます。
使い方や場所などは指導いたしますので、 ご自宅でのケアにお勧めします。
この様な治療によってめまいを抑え、症状の出にくい身体を作っていくことが出来ます。